近江屋 美術部

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石膏像の簡易修理

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石膏修理1

今回は実験的なので廃棄物を使った簡易の修理テストです。

現物は岡石膏のマルスで台座部分が衝撃により破損しています。台座の裏面には骨材が見えています。写真ではわかりにくいですが、かなり広範囲に割れています。

 

 

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 今の段階で石膏それぞれが大きく割れてぐらついている部分は隙間に接着剤を流し込み接着します。接着剤はなんでもよいみたいですがコニシのG17を石膏のプロがおすすめしているので採用。

 小さな欠けやすぐ取れてしまう状態のものは剥がしてしまい大きいブロックをつなぎ合わせて外側からストレッチフィルムでぐるぐる巻きにして固定。

 

 接着した頃合いを見て、石膏を練りまずは裏側にギブスの要領で補強を入れます、本体を濡らして石膏をよくしみこませた骨材を貼り付けた上からさらに石膏を塗ります。

 

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裏面の補強が固まったら表面の側面にアルミテープで土手を作り石膏を流し込みました。写真はありませんがマルスの左手、裏側が患部です。

流し込んでわかったのは案外流し込みにくい硬さだということです。さらさらと流れるわけではないので結果的に石膏の行き渡らない箇所がでました。特に左腕の下にあたる部分は直径20cmほどのボウル使って石膏を練ったため注ぎ込むのに手間がかかりました。シリコン製ボウルなどを使うと注ぎやすいだろうと思います。

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表面の硬貨が完全に終わる前にカッターナイフを使って高さと形を整えます。

オリジナルより少し青みのかかっている部分が今回の補修箇所です。

より白い筋の部分は割れていた部分で接着後にVカットを入れています。その上に石膏を刷毛塗してパテの代わりにして最後に削れば、簡易的な造形の修理は完了です。