近江屋 美術部

美術部で、まったりのんびり

石膏像修理 ニオベ

本日のクランケはニオベさん。

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台座がバキッと割れてますね・・・。

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現状では繊維状の骨材でつながっている状態でかなりの衝撃がかかったのでしょう。

オペとしてはまずこの繊維を切り離します。

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繊維自体は台座の周りを絡まりながら囲んでいるので接着剤を上手に流し込めるなら切らなくてもいいと思いますが今回は内側にもう一層石綿で補強を入れるため面の接着を優先しました。

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相方も接着して3ピースになります。

本体と接合しますが、骨材の繊維が母体を押す感じになり隙間が空きますのでバーナーで見える範囲の繊維を焼きます。この作業で焼きすぎると繊維層にある空気が膨張して石膏が割れてしまうのである程度の勘が必要になります。

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ある程度、焼いて繊維が接着の邪魔にならない程度に落ち着いたら接着します。

下にはガラス板を置いて平面を作りますが、これは土台の部分が自立可能であることが前提なるため自立できない状態だと厳しいです。

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後の作業で石膏補強するため簡単にはがれる部分は先に剥がしてしまいます。

 

このあとは、新たな骨材を入れて、石膏で裏から補強します。


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そして継ぎ目にVカットを入れ石膏で表面処理をして、表面を整えます。


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石膏が硬化したら形を整え、塗装しておしまい。石膏像の台座は案外アバウトな造りなのであまり神経質になる必要はありません。